☪︎
「うん、すごいな」
馬鹿の一つ覚え、と、言うのだろうか。
「凄いでしょ。ここ、天と地の差が酷いんだよね」
沙耶はそう言いながら、ズルズルと男を引き摺っている。
なお、相馬は沙耶の手で伸びてしまった男を俵担ぎ。
「持たせてごめんね、それ」
「いや、急に殴りかかってきた時、思わず、回し蹴りしそうになったから助かった」
「相馬が見えてなかったにしても、天下の御園当主にして許されることじゃないからね」
「外なら確実に、SPからの牢獄行きだな」
それくらい厳重な自分の護衛を思い出して、笑ってしまう。
もっとも、普段は落ち着かなくて嫌いだし、公的な場でしかSPがつくことは認めていないけど。
「あ、ここ」
たどり着いたのは、一番端の教室。
「図書室?」
「元、だけどね。大樹兄の時は現役だったんだけど、図書室はお引越ししたの。そしたら、ここが青龍の溜まり場?になっちゃった」
「許容されてるのか?」
「してなかったら、今頃、勇真兄が来てるよ。なんだかんだ言って、たまに馬鹿はいるけど……勇真兄を知っている人は皆、勇真兄に逆らおうとしないから」
白衣姿で、いつもケラケラ笑っている姿しか知らない相馬からすれば、全然想像もつかないが、普段穏やかに見える人ほど、腹の底で何を考えているのかは分からないもの。
実際に黒橋家が荒れていたときでさえ、荒れている大樹さんに付き合ってヤンチャしていたらしいから、彼は本当に怒ったら、どうなるんだろうと思ったり。
「─さて」
沙耶はひとつため息をつくと、片手で思い切り躊躇いなく扉を開け放ち、男を放り投げる。
「相馬も投げていいよ」
「や、置くよ」
相馬が抱えていた男は、沙耶を狙っていた。
そして、その沙耶に攻撃を避けられた哀れな男は、金的蹴りをくらい、ひっくり返った。
その上、沙耶は躊躇いもなく、その大切な部分を踏み付けて、ぶち切れていた。
それを見ていた相馬は、想像できるからこそ可哀想に感じてしまったので、床にそっと置くことにする。
中にいた複数の人間が扉が開く音に反応し、こちらを見たが、沙耶の躊躇いもない放り投げに目を丸くし、こちらに注目していた。
「怜皇」
沙耶はそのざわめく男共を手で追い払いながら、奥の部屋へ向かっていく。
そこには揺り籠のような椅子に座り、すやすやと眠る男。
「うん、すごいな」
馬鹿の一つ覚え、と、言うのだろうか。
「凄いでしょ。ここ、天と地の差が酷いんだよね」
沙耶はそう言いながら、ズルズルと男を引き摺っている。
なお、相馬は沙耶の手で伸びてしまった男を俵担ぎ。
「持たせてごめんね、それ」
「いや、急に殴りかかってきた時、思わず、回し蹴りしそうになったから助かった」
「相馬が見えてなかったにしても、天下の御園当主にして許されることじゃないからね」
「外なら確実に、SPからの牢獄行きだな」
それくらい厳重な自分の護衛を思い出して、笑ってしまう。
もっとも、普段は落ち着かなくて嫌いだし、公的な場でしかSPがつくことは認めていないけど。
「あ、ここ」
たどり着いたのは、一番端の教室。
「図書室?」
「元、だけどね。大樹兄の時は現役だったんだけど、図書室はお引越ししたの。そしたら、ここが青龍の溜まり場?になっちゃった」
「許容されてるのか?」
「してなかったら、今頃、勇真兄が来てるよ。なんだかんだ言って、たまに馬鹿はいるけど……勇真兄を知っている人は皆、勇真兄に逆らおうとしないから」
白衣姿で、いつもケラケラ笑っている姿しか知らない相馬からすれば、全然想像もつかないが、普段穏やかに見える人ほど、腹の底で何を考えているのかは分からないもの。
実際に黒橋家が荒れていたときでさえ、荒れている大樹さんに付き合ってヤンチャしていたらしいから、彼は本当に怒ったら、どうなるんだろうと思ったり。
「─さて」
沙耶はひとつため息をつくと、片手で思い切り躊躇いなく扉を開け放ち、男を放り投げる。
「相馬も投げていいよ」
「や、置くよ」
相馬が抱えていた男は、沙耶を狙っていた。
そして、その沙耶に攻撃を避けられた哀れな男は、金的蹴りをくらい、ひっくり返った。
その上、沙耶は躊躇いもなく、その大切な部分を踏み付けて、ぶち切れていた。
それを見ていた相馬は、想像できるからこそ可哀想に感じてしまったので、床にそっと置くことにする。
中にいた複数の人間が扉が開く音に反応し、こちらを見たが、沙耶の躊躇いもない放り投げに目を丸くし、こちらに注目していた。
「怜皇」
沙耶はそのざわめく男共を手で追い払いながら、奥の部屋へ向かっていく。
そこには揺り籠のような椅子に座り、すやすやと眠る男。


