世界はそれを愛と呼ぶ




「お前、当主になった瞬間、思いっきり粛清を行ったもんな」

薫が、懐かしむように語った。
相馬からしても、当主になった瞬間、いちばん大暴れした仕事だったなと、思い出は深い。

「御園の真下にいながら、ふざけた事ばかりするから」

「平気で人を消していた形跡も見つかって、暫く、ニュースではそれが持ち切りになったよね。汚職とかの方が全然ましなレベル……」

呆れた甲斐に、呟く千歳。

「それで潰れたのって……」

「北御門(キタミカド)」

不思議そうな桜に即答する薫は、

「御園に、相馬にバレねぇわけがねぇだろ」

と、大きなため息。

「陽介さんの時期も、春馬さんの時期も、御園内部がそれどころじゃなかったからね」

困り顔の甲斐は、御園の厄介事を全て把握している。
その為、とても仕事を早く回してくれる為、重宝している秘書だが、同時に、相馬の暴走を止める役割を担っているはずにも関わらず、相馬の暴走を後押しする傾向があるため、相馬の伯父達はよく、頭を抱えている。

なお、甲斐が援護射撃をしたおかげで、北御門は潰れ、全て差し押さえの末、一部の人間は無期懲役となった。

「で、結局、相馬は誰と電話してたのー?」

澪が話の論点を、初期に戻す。

「元『神の代理人』の、鳳月瀬奈(ホウヅキ セナ)さん」

相馬がそう返すと、

「待って待って。……想像以上に、大きい?これ」

と、澪が顔を曇らせた。

「鳳月って……計らずとも、御巫(ミカナギ)が出てくるのでは……」

「御巫?相馬、まさか」

勘のいい甲斐は、気付いたらしい。
相馬が沙耶のことで考えていく中で、立てた考察を。