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フラッシュバックのようなものだ。
過呼吸になりかけていた沙耶を抱きしめて、一定の感覚で背中を叩いていたら、大量の汗をかいた沙耶は気を失った。
静かな呼吸音。眠っていることに安堵しながら、太腿の上に乗せ、抱え込むように抱き締めて、相馬はソファーに座った。
沙耶と出会ってから短期間で、沙耶が1番落ち着く方法を独自で探した結果、たどり着いた対処法。
「……沙耶の傷は、深いのね」
沙耶のパニックを黙って見ていた桜が、小さく呟く。
「ああ。沙耶は記憶にないが、幼い頃は誘拐もされたことがあるらしい。それに合わせて、この間話した精神攻撃のような手紙をはじめ、『お前のせいで彼らは死んだのだ』と呪いを吐き続けていた女が、自らの命で、沙耶のトラウマを作り上げた」
「「「……」」」
「幼く、素直で、誰からも愛されていた沙耶は、それを実直に受け止めたのだろうな。多くの愛に満たされていた心を、叩き壊され、愛を受け入れられなくなったらしい。誰かが頭を撫でようとしても、自分を守るように頭を抱え込んだ。気配を消して、泣かず、笑い続けた。本当はすごく泣き虫だったらしいが……健斗さん達は、どう向き合うか考え込み、その間に沙耶が行方をくらませ、大騒ぎ」
「ざっくりとは聞いていたが、あまりにも自分勝手な恨みだな……どう考えても、普通の大人なら、幼子にそんなことはしないだろう」
「普通の大人なら、な」
だが生憎、沙耶を攻撃する側にいるのは、普通の人ではないのだろう。
化け物とか、そういう意味では……嗚呼、ある意味、化け物かもしれないが、話が通じない。
「相馬、さっき、誰と電話していたの?」
「華宮の……」
「華宮の分家って言ったよね。今の当主はあの子だけど……?」
華宮─春の家。御園から派生したとされ、他の夏、秋、冬の家の元ともされる彼の家は、少し前まで、当主という証が行方不明となっていた。
その原因は政治も絡み合った、長年の最悪な嘘の構築。
フラッシュバックのようなものだ。
過呼吸になりかけていた沙耶を抱きしめて、一定の感覚で背中を叩いていたら、大量の汗をかいた沙耶は気を失った。
静かな呼吸音。眠っていることに安堵しながら、太腿の上に乗せ、抱え込むように抱き締めて、相馬はソファーに座った。
沙耶と出会ってから短期間で、沙耶が1番落ち着く方法を独自で探した結果、たどり着いた対処法。
「……沙耶の傷は、深いのね」
沙耶のパニックを黙って見ていた桜が、小さく呟く。
「ああ。沙耶は記憶にないが、幼い頃は誘拐もされたことがあるらしい。それに合わせて、この間話した精神攻撃のような手紙をはじめ、『お前のせいで彼らは死んだのだ』と呪いを吐き続けていた女が、自らの命で、沙耶のトラウマを作り上げた」
「「「……」」」
「幼く、素直で、誰からも愛されていた沙耶は、それを実直に受け止めたのだろうな。多くの愛に満たされていた心を、叩き壊され、愛を受け入れられなくなったらしい。誰かが頭を撫でようとしても、自分を守るように頭を抱え込んだ。気配を消して、泣かず、笑い続けた。本当はすごく泣き虫だったらしいが……健斗さん達は、どう向き合うか考え込み、その間に沙耶が行方をくらませ、大騒ぎ」
「ざっくりとは聞いていたが、あまりにも自分勝手な恨みだな……どう考えても、普通の大人なら、幼子にそんなことはしないだろう」
「普通の大人なら、な」
だが生憎、沙耶を攻撃する側にいるのは、普通の人ではないのだろう。
化け物とか、そういう意味では……嗚呼、ある意味、化け物かもしれないが、話が通じない。
「相馬、さっき、誰と電話していたの?」
「華宮の……」
「華宮の分家って言ったよね。今の当主はあの子だけど……?」
華宮─春の家。御園から派生したとされ、他の夏、秋、冬の家の元ともされる彼の家は、少し前まで、当主という証が行方不明となっていた。
その原因は政治も絡み合った、長年の最悪な嘘の構築。


