「そっかぁ〜!やっぱり、沙耶か〜」
と、言いながら、何故か抱き締められる。
「さ、桜?」
「大好きだよ〜!沙耶〜!!」
「???」
全く話についていけないが、桜の肩越しに見える面々はどこか満足気に微笑んでいるから、多分、良い事なのだろう。
深く考えすぎるとドツボにはまり、疲れ過ぎてしまうので、最近は本当に全身相馬に任せきりで、沙耶は深く考えることをやめた。
それでも最初はぐるぐると考え込んでしまって、ドツボにハマって、寝込んでいたこともあったけど、相馬が献身的に支えてくれたおかげで、比較的に復活は早く、精神的には最近、自分でも落ち着いている気がする。
気分的にも楽だし、相馬にはちゃんと甘えすぎな時は言ってね、と、伝えてあるけど、今のところ、相馬が何かしら沙耶に苦言を呈したことはない。
(甘えすぎだとは思ってるんだけどね〜……)
だからといって、現状は何も変わらないわけで。
「─沙耶」
桜を抱き締め返していると、後ろから声を掛けられる。
「……起きたの?」
「ん」
相馬が現れた瞬間、桜が離れ、相馬がくっついてくる。
片手で抱き寄せられて、肩に額を預けてきて。
「まだ眠いんじゃない?」
「んー……電話が」
「電話?」
「ん。それで目が覚めた」
そう言いながら、欠伸を噛み殺す相馬。
時刻は、午前9時。まぁ、仕事の電話があってもおかしくない時間ではあるけど。
「沙耶」
「ん?」
「聞きたいことがある」
「それは何でも答えるけど。とりあえず、座ろうよ」
エントランスホールの、皆が座っている大きなソファを指差す。
相馬は沙耶が手を引くと、大人しくついてきた。
そして、ソファに腰を下ろすと、また、沙耶の肩にもたれかかってくる。
別に全然いいが、最近、幼なじみの彼らから向けられる視線が生暖かく、なんか色々と誤解させている気が─……。


