世界はそれを愛と呼ぶ




「弟……甲斐さんと千歳さんだよね」

「そう。甲斐は相馬の側近として、千歳はひとりの学生として、この街に来たんだ。よろしく」

視線を投げると、相模の柔らかな見た目と違い、どこか冷たさを感じる美人な男性が会釈してきた。
彼はキツめに三つ編みされているであろう長髪を背中に流して、隙が無さそう。

兄弟で真逆の雰囲気に驚いていると、その横で黒髪短髪の好青年も軽く手を挙げて。

「こうやって見ると、三兄弟、全員それぞれ雰囲気違うでしょ?」

心を見透かしたように、楽しそうな澪。

「相模は、若い頃のおじいちゃんに似てるよね」

「よく言われる」

「甲斐はお母さんで、千歳はお父さんに似てるんだよ。千歳の髪を伸ばして、ポニーテールにした体格がもっと良いバージョンがお父さん。で、甲斐の女版がお母さん」

澪は相模の両親を、「お父さん」「お母さん」と呼んでいるらしい。ということは、「おじいちゃん」は相模達の祖父なのだろう。

「沙耶」

三兄弟と澪と桜と薫……今のところ集まっているメンバーを見ながら、本当にこの幼なじみたちは顔が良いなと思っていると、甲斐にいきなり呼ばれて。

「?」

首を傾げると、

「相馬は?」

と、聞かれた。

「相馬なら、私の肩で二度寝始めたから、もっかい寝かせてきたよ?」

「……なんて?」

そばにいて欲しい、と、言われたので大人しくしていたら、頭を撫でられて、そのまま微睡んで夢の中。

何気ない事後報告と思っていたら、一番最初に反応したのは桜だった。

「相馬が?寝たの??」

「え……うん。寝るでしょう?人間だもの」

思わず、なんか詩的なことを口にしてしまった。
すると、桜は何故かほっとした顔をして。