世界はそれを愛と呼ぶ

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「─俺について、俺達について、話したい事がある」

そう、相馬に打ち明けられたのは、買い物に強制的に連れていかれた丁度、1週間後。

「時間が欲しい。茉白と、沙耶の3人で」

それに、沙耶は快諾した。
どこか思い詰めているような、考え込んでいるような彼に微笑んで。

茉白にも連絡して、明日に時間をとって。
今日もふたりで、相馬の家に戻って。

「ただいま」

相馬に言われ、そう言うのが習慣になった。
お邪魔している身だし、どうかなと思っていたけど、思いの外、容易に慣れ親しんで、寛げるまでになった部屋。

広さにだけは未だに慣れなかったが、既に居心地の良い場所になっていて、沙耶はいつも通り、ご飯とお風呂が終わったあと、大きなソファーで寛いでいた。

「……はぁ」

お風呂から上がってきた相馬が、ため息を着く。
冷蔵庫から水を取り出して、それを飲む姿はどこか疲れているような、そんな憂いを帯びた横顔。

「相馬?」

「……ん?」

少し小さい声で呼んでみると、相馬は少し間を置いて、こちらを見た。
すぐにパッと表情を作る感じが、大きく歴史ある家の頂点に立っているだけの、器用さを見せてくれる。

手招きすると、素直に寄ってきてくれる相馬。
本当に、変なの。まだ出会って、一ヶ月も経ってないのに。

色々なことがあったから?

色んなことを知られすぎたから?

「……相馬、私を無理に守らなくてもいいよ」

疲れている目元に触れると、何故か、相馬は沙耶の手に頬を寄せてきて、「どうして?」と聞いてくる。

「だって、すごく疲れているでしょ?手紙はもう、直接私に届くことはないし……この街の安全性だって、ここで過ごした時間で把握してるんじゃない?」

「それとこれとは話が別だと思うけど?」

「そうかなぁ……」

もうすぐ、学校が始まる。
それなのに、それより前にこんなにも疲れさせて、沙耶は申し訳なくて仕方がなかった。