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二年後、私とシオンさんは結婚した。自分たちの結婚を認めてもらうのに苦労したけれど、やっとお義父さんから了承を得た時、私たちは感極まってはしゃいでしまった。それをお義父さんは、笑って見ていてくれたのだった。
弟のイツキさんも、最初は反対していたけど、私たちの仲の良さを見せつけられ、結局根負けしてしまった。結婚することが決まった時には、自分もいい奥さんをもらいたいと思ったようだった。
そうして、結婚してから、私は籠の鳥にはならなかった。会社勤めをしながら、シオンさんとの生活が始まったのだ。
シオンさんは独占欲が強くて、私を溺愛してくれている。でも同時に、私を信頼してくれるようになったのだ。私がずっと、彼への気持ちが強かったせいだ。シオンさん以上に束縛する時だってある。だから、彼は私が外に出ても、この子は裏切らない子だと、安心してくれたのだった。
この人と何時までも一緒にいよう·····。そう思って見つめた時、シオンさんはキスで答えてくれた。軟禁状態から始まった恋だったけど、私はそれでよかったと思っている。
幸せなら、かまわないのだから──。
end.



