そもそも、おかしかったのだ、いろいろと。声をかけられて、助けられて、軟禁生活。私にとっては、シオンさんと夢物語のような生活を送っていた。でも、はたから見たら異常だ。そうだ。元々……おかしかったんだ。 私は少しだけ涙を流し、でも、後はぐっと堪えた。 自立しなくちゃ。シオンさんから離れよう。愛人や遊び相手になんて、なれない。深く愛してしまったからこそ、そんなふうにはなれなかった。 仕事を探して、出て行く。それが一番健全で、正しいと思ったのだった。