初めてシオンさんに愛し尽くされた後の朝は、疲労感と、気だるさと、それからたっぷりの幸せで満たされていた。体には無数に痕が残り、そうして、籠の鳥の意味を知った。
シオンさんはおそらく、好きになった人への愛情の深さが、普通の人と違う。血筋だと言っていたけれど、本当にそうかも知れない。好きな人への欲望を隠しきれず、独占欲に溢れ、眠っているのに、私の体を抱きしめる力がかなり強い。
私はそんなシオンさんを、ますます好きになってしまった。そうして、愛を育んでいるうちに、一年が経過したのだ。
これからもそんなふうに暮らしていくのだろう。そんな淡い考えに捕らわれていた頃、変化が起きた。
シオンさんの弟の、イツキさんが訪ねて来たのだ。



