みんな私のことをバカにしてる。
みんな私のことが嫌い。

みんな。
そう、誰一人とて。
私を見てくれる人なんていないんだ。

窓際の席で休み時間、一人で本を読んでいても、聞こえてくる声は全部全部悪口に聞こえる。
いや、本を読んでいなくても耳に入ってくる「バカだな」とか「キモい」とかいう「怖い言葉」は全て私に向けられているものだと思ってしまうのだ。
これを被害妄想という。
それは知ってる。

みんな悪気はないはずだ。それに、友達との会話でふざけて言ってるだけかも。――考えすぎかも。

全て私が、そうやって自分にとって悪いように解釈してみんなのことを悪者に仕立て上げてるせいだ。
誰も悪くない。
悪いのは私だ――。

そうだってわかってるのに。

わかってるのにどうしてもうまくいかない。

私はとりわけ頭がいいわけでも、運動ができるわけでもなくてどちらかというと何にもできない。
それに加えて、コミュ障、陰キャという始末。

どうやって話せばいいのかわからない。
どうやって友達を作ればいいのかわからない。

だから私の友達は一人もいなかった。

毎日毎日不安で、仕方なかった。

――どうしてこんな風になっちゃったんだろう。

どうして、こんな風になっちゃったんだろう。




そう思っては、本の世界に逃げるのだった。