「ちょっと、何してんの!?」
「手当てしないとダメだろ。こういうのは時間経てば経つほど治りが遅くなるんだよ」
玲は真琴の足に触れて「捻ってんな」と呟いた後、手当てをするために救急箱を棚から出した。そして慣れた手つきで真琴の足に処置をしていく。
「……ずいぶん慣れてるのね」
「陸上と剣道で怪我割としてるからな〜。慣れてない方がおかしいだろ」
黙々と処置をしていく零に、真琴は心の片隅で思っていたことをぶつけてみることにした。
「何だか意外。私が転んだ時、あんたなら絶対に馬鹿にして笑うと思ってた」
すると零が手当てをする手を止め、真琴を見つめた。普段よりずっと近い距離だ。真琴は緊張を覚えながら「な、何よ」と言う。零の顔がグッと近付いてきた。
「俺、絶対に笑わねぇよ。好きな奴が傷付いてる時に笑うとか最低じゃん」
傷の痛みが、身体中の暑さと胸の中に広がる驚きと苦しさに勝った瞬間だった。
「手当てしないとダメだろ。こういうのは時間経てば経つほど治りが遅くなるんだよ」
玲は真琴の足に触れて「捻ってんな」と呟いた後、手当てをするために救急箱を棚から出した。そして慣れた手つきで真琴の足に処置をしていく。
「……ずいぶん慣れてるのね」
「陸上と剣道で怪我割としてるからな〜。慣れてない方がおかしいだろ」
黙々と処置をしていく零に、真琴は心の片隅で思っていたことをぶつけてみることにした。
「何だか意外。私が転んだ時、あんたなら絶対に馬鹿にして笑うと思ってた」
すると零が手当てをする手を止め、真琴を見つめた。普段よりずっと近い距離だ。真琴は緊張を覚えながら「な、何よ」と言う。零の顔がグッと近付いてきた。
「俺、絶対に笑わねぇよ。好きな奴が傷付いてる時に笑うとか最低じゃん」
傷の痛みが、身体中の暑さと胸の中に広がる驚きと苦しさに勝った瞬間だった。

