宮殿に幼い頃からよく出入りしていたリディはエヴァンのことも知っており、リディ、ミカエラ、エヴァンの三人で遊ぶことも少なくなかった。
その時、サンドイッチを食べ終わって立ち上がろうとしたリディの手をエヴァンが掴んだ。
「兄上じゃなく、俺にしない?」
リディの耳元でエヴァンが囁く。
甘ったるい声で吐息交じりの言葉を令嬢たちが聞いたら、卒倒してしまうだろう。
ミカエラも金髪碧眼という美しい見た目であったが、エヴァンもシルバーの髪にちょっと遊び髪を靡かせ、そして兄と同じ碧眼の見た目をしている。
二人とも見目麗しく令嬢たちの注目の的だった。
「そんな言葉は婚約者の子に言ってあげなさい」
「残念。俺、婚約者いないもん」
そういって悪戯っぽく笑みを浮かべた。
そんな彼にリディは姿勢を正して言う。
「で、そんな王子様は、本当はわたくしに何の用でいらしたの?」
全てを見透かしたような瞳にエヴァンは両手を広げて肩をすくめた。
「リディはお見通しか」
彼は一気に真剣な顔つきになると、低い声で話を始めた。
「四大公爵から俺に『一級公爵書』が申請された」
その時、サンドイッチを食べ終わって立ち上がろうとしたリディの手をエヴァンが掴んだ。
「兄上じゃなく、俺にしない?」
リディの耳元でエヴァンが囁く。
甘ったるい声で吐息交じりの言葉を令嬢たちが聞いたら、卒倒してしまうだろう。
ミカエラも金髪碧眼という美しい見た目であったが、エヴァンもシルバーの髪にちょっと遊び髪を靡かせ、そして兄と同じ碧眼の見た目をしている。
二人とも見目麗しく令嬢たちの注目の的だった。
「そんな言葉は婚約者の子に言ってあげなさい」
「残念。俺、婚約者いないもん」
そういって悪戯っぽく笑みを浮かべた。
そんな彼にリディは姿勢を正して言う。
「で、そんな王子様は、本当はわたくしに何の用でいらしたの?」
全てを見透かしたような瞳にエヴァンは両手を広げて肩をすくめた。
「リディはお見通しか」
彼は一気に真剣な顔つきになると、低い声で話を始めた。
「四大公爵から俺に『一級公爵書』が申請された」



