冬に起こったこの反逆事件で王都の半分は火事で焼失し、重要文化財は失われ、そして逃げ遅れた国民が多く亡くなった。
ベリリズアはこの火事の中で自らの命を絶ったが、この反逆事件は多くの国民の記憶に残り、傷を残した。
このベリリズアの加護が『鮫』だったのだ。
当時の国王はこの事件の後に行なわれた式典で、「『鮫』の加護を持つ者は野蛮であり、悪しき心が宿っている」と発言し、翌年には今の身分制度のもとになる「神位制度」を作った。
この制定によって正式に国が『獅子』を最も優れた者と位置づけ、そして『鮫』を悪人として認めることとなった。
リディ・ヴェルジールはそうした身分制度の社会のもとに生まれた。
彼女は四大公爵家の一つ、ヴェルジール家の娘として生まれ、教会の聖女によって『獅子』の加護を持つ者として神託を受けた。
転機は彼女が七歳の頃だった。
ウィンダルス国第一王子であるミカエラ・ウィンドリアスの婚約者として、リディが選ばれたのだ。
王族の多くは原則、四大公爵家から婚約者を選ぶ。
ベリリズアはこの火事の中で自らの命を絶ったが、この反逆事件は多くの国民の記憶に残り、傷を残した。
このベリリズアの加護が『鮫』だったのだ。
当時の国王はこの事件の後に行なわれた式典で、「『鮫』の加護を持つ者は野蛮であり、悪しき心が宿っている」と発言し、翌年には今の身分制度のもとになる「神位制度」を作った。
この制定によって正式に国が『獅子』を最も優れた者と位置づけ、そして『鮫』を悪人として認めることとなった。
リディ・ヴェルジールはそうした身分制度の社会のもとに生まれた。
彼女は四大公爵家の一つ、ヴェルジール家の娘として生まれ、教会の聖女によって『獅子』の加護を持つ者として神託を受けた。
転機は彼女が七歳の頃だった。
ウィンダルス国第一王子であるミカエラ・ウィンドリアスの婚約者として、リディが選ばれたのだ。
王族の多くは原則、四大公爵家から婚約者を選ぶ。



