子猫令嬢は婚約破棄されて、獅子となる

 後日、四大公爵を中心として各処分の正式決定がおこなわれた。

 ミカエラから国庫金を受け取っていたルルアの実家である、キシュラー男爵は違法賭博をしていたことがわかった。賭博で抱えた借金を返済するために、キシュラー男爵はルルアにミカエラに頼み込むように依頼をしたのだという。
 キシュラー男爵家は爵位を失うこととなり、ルルアを含めて平民として生活をしている。

 国王と王妃、ミカエラはというと、ウィンダルスの辺境の地で過ごすこととなった。
 国民から不正に取り立てた金は国民への一時金として戻されるそうだ。
 加えて、国王たちは平民として農作業に従事することとなった。
 四大公爵の内の一人であるミシュタル公爵が彼らの監督責任者となり、給金の一部を向こう十年間徴収して、差別を受けていた平民たちに支給するようにした。

 一方、リディはぼうっと学院の屋上で空を見ていた。
 すると、彼女に人影がかかる。

「政務のほうはいいのですか?」
「ああ、ちょっと休憩だ」

 第二王子エヴァンは、次期国王として四大公爵に助けられながら政務をおこなっていた。