子猫令嬢は婚約破棄されて、獅子となる

 王妃は絶望の色を見せ、その場にへたり込んで泣き始めた。

「父上、母上、兄上。これは私からの最後の願いです。国から出て行けとは言いません。ですが、その身をもって罪を償い、そしてこの国の現状を、民の声を聞いてください。百年前にできた「神位制度」が生み出した闇を、そしてあなたたちがその闇を広げてしまったことの罪を、その目で確かめてください」

 エヴァンが言い終えるのを見届けると、リディはミカエラに向かって言う。
「あなたはわたくしを『獅子』だから、と優遇した。そして、子猫のように弱いと嘲笑った」

 リディは力強く告げる。

「強い者が弱い者をいじめてどうするのですか。強い『獅子』が、弱い者を助けなくてどうするのですか。私はあなたが強さに溺れてしまわないことを願っていました……」

 リディはミカエラに背を向けて講堂を後にした──。