「これは、どれも個人情報が入っている大事なファイルです。それを平気で落とせるなんて、人事部としての自覚はありますか?それに、、、舟田さんは、全部星野さんに任せて、自分がすべき仕事をしていないんじゃないですか?」
未来がハッキリとそう言うと、舟田さんは狼狽えながら「そ、そんなことないです!」と言った。
「そうですか?もし舟田さんが自分できちんと管理してるファイルだとしたら、保存や管理がどれだけ大事で大変なのかを分かっているはずなので、こんなことしないと思いますけどね?」
未来がそう言うと、舟田さんは言い返す言葉が見つからない様子で悔しそうにしながら、黙ってファイルを拾い片付けていた。
「ありがとう。」
わたしがそう言うと、未来は微笑み「じゃあ俺、嶋村課長のとこ戻るな!」と駆け足で嶋村課長の元へと戻って行った。
そして、未来に図星をつかれた舟田さんはというと、大きな溜め息をつき、「星野さん、随分とやってくれるわね。白崎主任を味方につけるなんて。」と言い、「わたしの査定が下がったら、星野さんのせいだから。覚えておきなさいよ。」と低い声で脅すような言い方をし、自分のデスクへと戻って行った。
わたしは何も言い返せず、小さく溜め息をつくと、自分のデスクに戻った。
あの時、わたしはどうするのが正解だったの?
名簿のファイルの場所を知ってて、知らんぷりしておけば良かったの?
それならそれで、また違う形で嫌がらせをしてくるくせに。
わたしはモヤモヤした気持ちのまま、午前中に届いた書類の確認と整理、打ち込み、保管と一連の作業を一人で行ったのだった。



