あきれるくらいそばにいて


「未来、、、連絡しなくてごめん。」
「そんなこと謝らなくていいから。」
「わたしね、、、子宮体がんなんだって。卵巣にも転移してるんだって。だから、、、手術で全摘しなきゃいけないんだって。」

わたしが泣きながら、声を震わせそう言うと、未来は黙ってわたしの話を聞いていた。

「わたし、人間としても存在感ないって言われてきたけど、女としても存在しなくなるみたい。赤ちゃん、、、産めない身体になるんだって、、、。女性が唯一、出来る、、、神秘的で素晴らしいことを、、、わたしは奪われるんだよ?」

わたしの話を聞きながら、未来は泣いていた。

「わたし、、、人間としても女としても存在感ないなら、居なくなっても同じだよね?」

わたしがそう言うと、未来は「そんなこと言うな!」と強く言った。

「俺は、、、葉月が存在感ないなんて、一度も思ったことないよ?いつも誰よりも一生懸命で、誰も見ていないところでも気遣いが出来て、俺には葉月が一番輝いて見えてた。だから、好きになった。たまに見せる笑顔が可愛くて、料理も上手くて、優しくて思いやりがあって、俺は葉月を一人の女性として見てきたよ?」

未来の言葉にわたしは声に出して泣いた。

未来の言葉が嬉しくて、、、嬉しくて、、、涙が止まらなかった。

「確かに病気のせいで赤ちゃんは産めなくなってしまうかもしれない。でも、、、それでも、、、葉月は葉月だ。周りの人間がどう言おうと、どう思おうと、俺は葉月の味方だから、、、。だから、葉月のそばに居させてくれないかなぁ?俺がずっと葉月のそばに居るよ、、、葉月が呆れるくらい、そばにいるから、、、。」

未来がそう言ったあと、わたしはクルリと身体を未来の方に向け、未来の背中に手を回して抱きついた。

「未来、、、ありがとう、、、。」

わたしたちは二人でずぶ濡れになりながら抱きしめ合い、雨に打たれながら、お互いの気持ちを再確認したのだった。