あきれるくらいそばにいて


そのあと、三谷先生は「出来るだけ早く。」とか「術式は担当医と相談して。」とか言っていたけれど、わたしの耳に入っては流れて出て行った。

ただただ、ショックが大き過ぎて、わたしの中には「子宮体がん」「手術」「全摘」「赤ちゃんを望めない」この言葉がグルグルと回っては心を削り落としていった。

わたしは紹介状をもらい、外へ出た。

来る時にはあんなに快晴だった空は、わたしの心を表しているように黒い雲で空を覆い、土砂降りほどではないが、そこそこの雨が降っていた。

わたしはタクシーで自宅マンションまで帰ると、エレベーターで一度5階まで上がり、エレベーターを降りたが、何を思ったか再びエレベーターに乗り、屋上を目指した。

屋上まで来るのは初めてだ。

わたしは屋上まで上がってきたエレベーターを降りると、ただ一つしかない屋上の外へ出る扉の横にバッグを置くと、横になっている扉の内鍵を縦にして鍵を開けると、重たい扉を全身で押すように開けた。

まだ13時くらいのはずなのに、薄暗い空。

わたしは雨に濡れながらゆっくりと真っ直ぐ歩いて行き、屋上を囲む柵のところまで来ると、柵に手を掛けた。

そして、下を見下ろしてみる。

この高さだったら、落ちたらどうなるんだろう。

死ねる?
中途半端は嫌だから、確実に死ねる高さがいい。

わたし、、、生きてる意味があるの?