あきれるくらいそばにいて


自宅マンションに着くと、未来は一度部屋着に着替えに帰り、わたしはその間に夕飯準備をした。

そして15分後、インターホンが鳴り、玄関のドアを開けると、ラフな格好の未来の姿があった。

何だかラフな格好の未来を見ると懐かしい。
よく夜に二人で借りてきたDVDをソファーで寄り添いながら観たなぁ。

ジ◯リの「もの◯け姫」を観ていた時は、「カヤという女が居ながら、サンに手を出すなんて!アシ◯カは最低な男だ!」とか怒ってたっけ。

わたしは、そんなことを思い出しながら、「どうぞ。」と未来を家の中に招いた。

「お邪魔しまーす。うわぁ、めっちゃ良い匂い!」
「今温めてたとこ。すぐ食べれるよ。」

居間に来ると、未来は部屋を見回し、わたしと同じように懐かしさを感じているように見えた。

当時の家とは違うけど、使っている家具や飾っている小物にあまり変わりはないからだ。

「俺の部屋はまだ全然片付いてなくてさぁ。グチャグチャだよ。」
「引っ越して来て、すぐ着任だもん。片付ける暇なんてないよね。」
「片付いたら、俺の家にも遊びに来いよ。すぐ上なんだからさ。」
「うん。」

そう話しながら、わたしは2人用の小さなダイニングテーブルにチキンのトマト煮込みにサラダ、ライスを並べていく。

片方の椅子に座った未来は、「旨そう!」とトマト煮込みの匂いを香っていた。

「ワインあるけど、飲む?」

わたしがそう言って出したワインを見て、未来は「あ!それ!」と嬉しそうな表情を浮かべた。

そのワインは、未来とわたしがよく一緒に飲んでいたワインなのだ。