あきれるくらいそばにいて


「そういえば、夕飯どうするつもりだった?何か食いに行く?」

前を向き運転をしながら、未来が言う。

「あ、わたしご飯の用意して来ちゃったんだよね。チキンのトマト煮込み作って来たんだけど、未来も一緒に食べる?あ、でも、彼女いたりするよね、、、」

わたしがそう言うと、未来は「彼女は居ないよ。だから、葉月のチキンのトマト煮込みご馳走になりに行こうかなぁ〜。」と言った。

「彼女いないの?」
「うん。」
「未来なら、居るかと思った。」
「何だよ、それ〜。俺、そんなすぐ彼女作りそうに見える?」
「ううん、そうじゃなくて、未来、昔から人気者だから。」

わたしがそう言うと、未来は「そんなことないよ。」と言ったあと、「葉月と別れてから、誰とも付き合ってない。」と言い、そのことにわたしは驚いた。

「えっ?!嘘でしょ?!」
「嘘じゃないって。まぁ、葉月とはもう会えることがないと思ったし、他の人と付き合うことも考えたことはあるけど、、、葉月のことが忘れられなくてさ。そんな中途半端な気持ちで他の誰かと付き合うのは、相手に失礼だろ?」

未来はそう言うと、照れ笑いを浮かべ、「俺、未練タラタラでカッコ悪いよな。」と言った。

「もう、、、何年も経ってるのに。」
「何年経っても、忘れることなんて出来なかった。何度も自分の気持ちに蓋をしようとしたけど、、、自分の気持ちに嘘をつくのって難しいな。」

まさか、未来がまだわたしのことを想っていてくれていたなんて、、、

わたしだって、未来を嫌いになって別れたわけじゃない。
だから、未練がないと言ったら嘘になる。

わたしたちは、何だがむず痒い雰囲気の中、あの頃の気持ちを思い出していたのだった。