あきれるくらいそばにいて


その日の就業時間後、仕事を終えた社員たちが帰って行く中、舟田さんが普段仲良くしているおばちゃんたちと未来を囲んで、「白崎主任!歓迎会するので、このあと飲みに行きません?」と誘っていた。

わたしは最後にやり忘れている業務がないかを確認してから帰り支度をし、「お先に失礼します。」と言い、未来や舟田さんたちの横を通り、フロアを出ると、エレベーターで1階まで下り、ゲートを抜けた。

すると、後ろから「葉月!」とわたしを呼ぶ声が聞こえてきた。

わたしは立ち止まり振り返ると、そこにはこちらに駆け寄ってくる未来の姿があったのだ。

「お疲れ!」
「お疲れ。あれ、舟田さんたちと歓迎会じゃないの?」
「断ってきた!疲れるのが目に見えてたから。」

未来がそう言って渋い顔をするので、わたしはそれを見て笑った。

「あ、笑った。やっぱり葉月の笑ってる顔好きだなぁ。」

そう言われ、急に恥ずかしくなるわたし。

「なぁ、葉月の家どこ?送るよ。」
「え、いいよ。自分で帰れるから。疲れてるんだから、早く帰って休んだら?」
「本当、葉月は自分より先に相手の心配だよな。大丈夫、久しぶりに葉月に会えて嬉しいんだ。」

未来はそう言うと、「ほら、こっち。」と言い、駐車場の方向へと歩き始めた。

わたしは一瞬迷ったが、久しぶりに会う未来の言葉に甘え、家まで送ってもらうことにしたのだった。