<優雅side>


ルリの寝息が静かな部屋に規則正しく木霊する






「今日も相変わらず寝るのが早いな」


大人びた容姿のくせに寝顔は幼い子供の様で思わず笑みが浮かぶ






ルリを置いて出なきゃいけないのは心苦しいが、
そろそろ行かないと時間がない




あいつらが動く時間が刻一刻と迫っている




「ルリ…俺はお前が何より大切だよ」




この先も知られてはいけないこの想いはどこへぶつければいいのだろうか







俺がこの立場な限り、お前を遠ざけるしか道がねえんだよ









出来ることなら変な男に渡さず、ずっと俺のとこへ留めておきたい






でも、お前は普通の幸せを掴まなきゃいけねんだ




俺みたいなヤクザになる道しか与えられてない人間とは関わっちゃいけないから









俺たちの本当の関係も、



俺の正体もお前に知られるわけにはいかない








だから俺はお前を死ぬまで騙し続けるよ