「………ほんとにあった…」



口からは呆けた言葉がこぼれる


横断幕の下に、ひっそり隠されていた
両手に収まる位の大きさの、宝箱


まさか、本当にここで
それが見つかるとは思ってなかった私は
驚きながら、その宝箱を手に取った



その時




『はい!そこまでー!!』




学校中に響き渡る放送



『皆さま、時間となりました!
トレジャーハンティング終了でーす!!』



『時間となりました
皆さま、体育館へお集まりくださーい!』



『繰り返します。時間となりました
体育館へお集まりくださーい!』




繰り返される放送を聞きながらも


私の視線は
終了時間ぎりぎりに見つけた
その宝箱に注がれていた