きみの本気は分かりづらい

――…



「お、むく、あったぞ!」



私が、外靴に履き替えている間
早くも、南雲先輩はコインを見つけた模様



「先輩、見つけるの早い」

「ヒントがあったからな」



私のもとへやってきた先輩は、言いながら
昇降口正面にある掲示板を指差した


そこには



『『ヒント』雨の日、盗難多発する場所』



と書かれた紙が貼られてる



「俺もよくパクられるからな。ビニール傘」



傘立てに視線を向けて、南雲先輩は苦笑いする



……なるほど



頷きながらも、渡されたコインに視線を落とす


コインの大きさは
ちょうど100円玉と同じくらい

色はシルバー

かわいらしい鳥の絵が描かれている



「どのくらい隠されてるんでしょう」

「どうだろうな。まぁ、探索あるのみだ
校舎の周りから探してみよう」

「はい」



頷いて
渡されたコインをポケットの中にしまい
歩き出す先輩に続いた