きみの本気は分かりづらい

――…



『では、トレジャーハンティングを開始します!』



始まりを告げる号令に
周囲は再び、ざわつき始める



「先輩、俺らはどうします?」



津嶋君のひと言で、作戦会議が始まる

みんなの視線は自然と
リーダー気質の南雲先輩へと向かう


その視線を受け止めて
配られた校内外のマップを眺めると

思案した後、南雲先輩は指示を出す



「そうだな。分かれて探すか
高い場所だったり
重いものの下だったりにコインが隠されてる可能性を考慮して、男女ペアの方がいいな」


「各々、嫌じゃなければ…
壮介と杏里、たつみと小夏
むくと俺でどうだ?」


先輩の言葉に、皆無言で頷く


「よし。なら、壮介と杏里は校舎内
各教室重点的に」

「はい」

「分かりました」



「たつみと小夏も同じく校舎内
図書室だったり、体育館
文化部の部室を探してみてくれ」

「うん。分かった」

「はいよ」



「むくは、俺と校舎の外を」

「はい」



南雲先輩は全員を見渡して
気合いをいれるように声を上げた



「じゃ、無料券目指して!頑張ろうぜ!!」

「「「「おー!!」」」」