きみの本気は分かりづらい

「たつ君、だらしないよ」

「ごめん。小夏ちゃん」



ぴょこぴょこと
あちこち跳ねた癖っ毛に

慌てていたのか
ボタンの掛け違えたシャツ

ぐちゃぐちゃな結びのネクタイ


なんとも、よれよれな姿に
急いで家を出たのがうかがい知れる


見かねた春山先輩が
比嘉先輩に近付いて、ため息混じりに整える

比嘉先輩はされるがままだ

距離感の近いふたりを
じっと眺める私に、南雲先輩は笑顔を向けた



「小夏とたつみは恋人同士なんだ」

「え~、素敵
同じグループになれるなんて、運命的ですね」



杏里が少し驚いたように
南雲先輩に返す


杏里のその言葉が耳に届いていた様子の
春山先輩と比嘉先輩は
揃って、頬を赤く染めていた



「俺らも、負けてないけどな」

「「確かに」」



運命的と言うなら
私達が揃って、同じグループになれたのもそうだ


津嶋君がこぼした言葉に
私と杏里は声を揃える



「「「……」」」



重なった言葉に、3人揃って顔を見合せ
笑顔をこぼす



「俺らのグループは
仲がよさそうでなによりだ」



全員を見渡して
南雲先輩は嬉しそうに笑った