きみの本気は分かりづらい

唇を尖らせて、難色を示す杏里に
津嶋君は困ったように、苦笑い



「でも、交流会
毎年、強制参加だったらしいけど
今回は自由参加にするみたいだな」

「そうなの?」

「ほら、人付き合いとかイベント事とか
そういうの、苦手な人いるじゃん?
嫌なものを無理にさせるのって違くないかって
話になったらしい」

「へぇ、実行委員には
理解ある優しい人がいるんだね」

「内容が決まり次第
出欠は取られるだろうけど
今野と篠原はどうする?」

「私はスポーツじゃなければ参加する!
むくは?」



黙って、ふたりの会話に耳を傾けていた私は
杏里の問いかけに、うーん…と、思案する



「…私は」



……正直、強制参加じゃないなら
不参加でいいんだよなぁ


津嶋君や杏里と違って
わいわいがやがやした空間、賑やかなイベントは
あまり好きじゃない


人付き合いも得意じゃないし
それが上級生相手となったら
気を遣って、疲れてしまいそう


少人数で、気心の知れた相手と過ごすなら
全然いいんだけど…