その後、ゆう兄の体調は無事回復


ゆう兄は、再び
仕事に追われる日々の中に戻っていった



「今年の交流会は一泊二日だって」

「あ、聞いた聞いた。学校に泊まるんでしょ?」

「楽しそうだよね」



ここ最近は交流会の話題で、もちきり

まだ決定したわけではないらしいけど
そんな内容の話が出回ってる



「むくはアンケートに何か希望書いた?」



そんなクラスメイトの会話に触発されたように
杏里が椅子から身をのりだし、私に聞いてくる

本日、日直の私は
学級日誌を書く手を止めて、答えた



「ううん。特には」

「そっか、私はね
学校で肝試ししたいって書いたよ」

「……肝試しはちょっと…」

「あれ?むく、怖いのダメな人?」

「うん」



採用されたらいいなぁ…っと
きらきらと目を輝かせる杏里に
私は苦虫を噛み潰したような表情を返す