きみの本気は分かりづらい

「…」



ぱたんとアルバムを閉じて、本棚に戻し
私は再び、ゆう兄の隣に腰をおろす


すやすやと眠り続けているゆう兄


まだ熱のある、その頬に
もう一度、触れてから

何度も、その頭を撫でる


ゆう兄の柔らかい髪は、触り心地が良い




『ゆうにい、だいすき!』




……小さな頃は
なんてことなく、触れられたのに


今は


こういう時しか、自分から触れられない




「……ゆう兄」




その感情の種類が変わっても


昔も今も


同じくらいに、想っているのに




「大好き」




こういう時しか、自分の想いを口に出来ない




「…」




ゆう兄からの返事はない





小さく微笑みながらも
あどけない寝顔を、切ない気持ちで眺めた