きみの本気は分かりづらい

「むく。ちょっと見ない間に
また可愛くなったね」



じっと、私の顔を眺めた後
ゆうママは、さらりと褒め言葉を向けてくる



「そんなことないです」

「えー?それこそ、そんなことないよ
むくは昔から可愛いけど、今はもっと可愛いよ」



柔らかく笑いながら
可愛がるように、ゆうママは私の頭を撫でる



「…」



……ゆうママは、ゆう兄に似てる
(正確には、ゆう兄が、ゆうママに似てる)


整ったその外見もだけど

浮かべる表情や、向ける視線

注ぐ言葉や、ささいな仕草も

ゆう兄にそっくりで


まるで、ゆう兄を目の前にしているようで
私は、少しドキドキしてしまう


照れて、黙り込む私を見て
ゆうママは、優しく目尻を下げる



「……これは、離れられないわけだ」

「え?」

「ううん。なんでもない
悠、多分起きてるから、行っておいで」



微笑みながら
ぽそりと小さく呟いたゆうママに、首を傾げる私

ゆうママは、そんな私に笑顔を向けて
それから、2階を指差した