きみの本気は分かりづらい

――……



ピンポーン



インターホンを押してすぐ
玄関の扉が開く




「はいはい。あら?むく!」

「こんにちは」



現れたその人は
私の顔を見るなり、華やかな笑顔を浮かべた



「むくがうちに来るの、久しぶりだね
もしかしなくても、悠のお見舞いに来てくれた?」

「邪魔になりそうなら、すぐ帰るので」

「全然。好きなだけいて。悠も喜ぶよ」



言いながら、笑顔で
私を家の中に招き入れてくれるのは
ゆう兄のお母さん


こうして会うのは
随分と久しぶりだけど


……相変わらず
見惚れちゃうくらいの美人だ


うちのお母さんより、年上だっていうのに
その容姿は若々しく、美の極み


スラッと長い手足
バランスの取れた体躯
目鼻立ちのはっきりとした顔


本人は、自分を着飾る事には興味がないようで
服装はスキニー+パーカーのシンプルコーデ
お化粧も必要最低限しかしてない

でも

スタイルがいいから、何を着ても様になるし
薄化粧でも、地の良さが際立つ