きみの本気は分かりづらい

私が、先輩の神経を
逆撫でするような事を言ってしまったから


本心だったし
間違った事を言ったとも思ってないけど


でも、もう少し上手く
相手に合わせた対応が出来ていたら
あんな事にはならなかったかもしれないと
私は後悔していた



「いやいや。篠原のせいでもないだろ
元凶は水ぶっかけた先輩」

「うん。むくは悪くない。先輩が悪い」

「な?よし!暗い空気やめやめ!
相川先輩の見舞いの品でも考えようぜ」

「そうしよう!」



自責の念に駆られる私に
津嶋君も杏里も、それは違うと即座に否定して

どんよりとした空気を払拭するように
明るい声を上げながら、ぱっと表情を切り替える



「…」



そんなふたりの心遣いに、少し心が軽くなる


ふたりの言葉に
控えめに笑顔を浮かべて、私は頷いた