翌日の朝


私と杏里、津嶋君の間に流れる空気は重かった



「……悠先輩、大丈夫なの?」

「病院は行ったのか?」

「…熱だけだから、平気だって」

「悪い。俺らが
相川先輩、呼びに行ったばっかりに…」

「ううん。ありがとう、心配してくれて」



沈んだ表情の杏里と津嶋君に
私は、なんとか笑顔を作って答える



今朝、ゆう兄からメッセージが届いた



『熱出ちゃった。今日は学校休みます
むくちゃんは、学校、頑張ってね』



その原因は十中八九、昨日の『あれ』だろう


前に津嶋君が言っていたように
ゆう兄は、自分に無頓着な所がある

冷たい水を頭から被ったって言うのに
きっと、ろくに乾かさず
そのまま放置していたんだと思う



……ゆう兄、体弱いくせに
そういうの、全然気にしないんだもん…



暑さや寒さに敏感で
気圧の影響を受けやすく
季節の変わり目には、よく体調を崩すゆう兄


何年もそれを繰り返していれば、学習して
多少は自衛しようとするものだけど…

ゆう兄の自己管理能力は未だに皆無


当の本人はあっけらかんとしてるけど
ちょっとした事でも、悪化したりするから
こっちは心配でたまらない