私が眠っていたベッドの横に
眠る前はなかった、椅子があって

そこに、小さなバッグが置いてあった


……なんだろう


と思い、確認すれば
そのバッグにはメモが添えられていた



『起きたら食べてね
むくちゃんの好きなの、作ったから』



「…」



送り主の名前は書いてなかったけど
その筆跡で相手が誰か、すぐに分かる



………こっちは、寝不足になるくらい
動揺してるっていうのに…



本当に普段と変わらない
通常運転なその人に呆れながらも


その自由さに、救われた過去を思い出して
小さく口許を緩め


ゆう兄お手製のお弁当を持って
私は保健室を後にした