きみの本気は分かりづらい

その距離感と、ゆう兄の放つ雰囲気が良かった


私の事を気にしつつも
無理矢理、深く踏み込むような真似はせず
一定の距離を保ってくれて


だけど


歩み寄る努力は怠らず
一緒にいることを望んでくれて


私がどんな態度だろうと
自由に、伸び伸びと
楽しそうな姿を見せてくれた



『むくちゃん、あそぼ』

『………うん』



差し出されたゆう兄の手を取ったのは
何度めの来訪の時だっただろう


こわごわと伸ばした手


その時に見せた
ゆう兄の嬉しそうな笑顔は
今も目に焼き付いている




そこからだった


私が、ゆう兄を信頼するようになったのは


懐いて、今度は私が
ゆう兄の傍から離れなくなった


家族以外で唯一、心を開けた相手

大丈夫だと、はっきりと信じられた相手


ゆう兄は
私にとって、かけがえのない存在になった