きみの本気は分かりづらい

杏里の言葉に
ずっと頑張って保っていた
ポーカーフェイスが崩れ落ちる

一気に熱くなる顔

腕で隠すようにして机に突っ伏す

そんな私を
杏里は茶化さず、優しい目で見つめてる



高校からの付き合いだけど
観察眼の鋭い杏里は、人の感情の変化に敏感

ささいな事から
その人の考えてることなんかを読み取れる



……ゆう兄の事
好きだって、一度も口にしたことないのに


こうも、あっさりバレちゃうなんて…



……照れ臭さや、気恥ずかしさはあるけど
杏里は人が嫌がるような事をしたりしないし
杏里になら気持ちがバレても構わないけど



「ゆう兄のは……恋愛感情じゃないもん」



頬を赤く染めたまま
むすりと、拗ねた口調で返せば
杏里はこてんと首を傾げる



「そうかなぁ
悠先輩、普通にむくの事好きだと思うけど」

「本当に好きなら
軽々しく抱き締めたりしない」

「むくは、そういうの大事にするもんね」