きみの本気は分かりづらい

ため息をつきながら
扉を閉めて、顔を上げれば



「おはよ」

「…」



私の混乱

睡眠不足

疲労


その原因である人物は
何事もなかったかのように目の前に現れた



「!」



不意を突かれて、一瞬、目が点になる


だけど、すぐに


ぼんっと、顔から火を出し、身構える私


いつものように、家の塀にもたれ掛かって
私を待っていたゆう兄は

そんな私を機嫌良さげに眺めてる



「ようやく俺を意識した?」



私の前にやってきたゆう兄を
真っ赤な顔のまま、睨み付ける



「………許可もなく、キスするなんて
ゆう兄最低」

「ちゃんと配慮したよ?唇にはしてない」



昨日の無理矢理な行為に異議を唱えれば
ゆう兄は悪びれもせず、平然と言う



「っ!あんなの…っ
…唇にしたのと変わらない……」

「あのね?むくちゃん
俺、これでもかなり譲歩してるんだよ?
今だって、むくちゃんを
めちゃくちゃにしたいのを頑張って抑えてる」

「…っ!?」