きみの本気は分かりづらい

後はもう、家から出るだけの状態だったのに

昨日のゆう兄の顔が、また、頭に浮かんで…


両手で顔を覆って
へなへなと、玄関の扉の前で座り込んでしまう




「…」



……ずっと
私だけが、ゆう兄の事を好きだと思ってた


どうしたら
意識して貰えるだろうって


どうしたら
私を好きになってくれるだろうって


ずっと


考えて、悩んでた




でも





『全部、本気だけど?』




『むくの事、好きなのも、愛してるのも』




『嘘じゃないんだけど?』





「…っ」




向けられた

静かだけど、情熱的な愛の言葉を思い出して


ぶわりと顔から火が出る