「…」



唇すれすれに触れた、ゆう兄の感触に


向けられた熱のある言葉に



瞬く間に、体温が上がる




「……考える時間はあげるけど」




起こった出来事を処理できず
真っ赤な顔のまま、固まる私を解放して




「『はい』か『イエス』以外の言葉は
受け付けないから」




変わらず、静かな態度で、そう言い残して



ゆう兄はそのまま、部屋から出ていった




「…」




私は、しばらくどころか



一晩中



ベッドから起き上がる事が出来なかった