きみの本気は分かりづらい

……結局、いつもと変わらず、一緒に登校


ホームルームが始まる
ぎりぎりの時間まで
私の傍に居座わる、ゆう兄



「じゃ、またお昼に来るね」

「…来なくていい」

「じゃあね」



素っ気なく返してもなんのその

ゆう兄は構わず、ぎゅっと私を抱き締めて

それから、名残惜しそうに離れて
ちらちらと何度も振り返りながら
自分の教室に向かう



「…」



その後ろ姿を眺めて、ため息をつく

廊下にいた人達から向けられる
痛い視線から逃れるため
私は足早に自分の教室に入った



「相変わらず
悠(ゆう)先輩、むくに激甘だね」



自分の席に戻れば
くすくす楽しげに笑いながら
前の席に座っていた、杏里(あんり)が私に言う



「……嬉しくない」

「どうして?
むく、悠先輩好きなんでしょ?」

「…」