きみの本気は分かりづらい

……



その続きを口にすることは出来なかった



『……篠原?』



私の手から離れたスマホ


不思議がるような津嶋君の声が微かに耳に届く



『篠…』



プツンと津嶋君の声が途切れて


私の手から奪ったスマホを
そのまま、ベッドのサイドテーブルの上に置いて

その相手は、じっと私を見下ろした



「……ゆう兄?」



いつの間に、部屋に入ってきたのか


突然、現れたゆう兄



自室への無断侵入


いきなり奪われたスマホに、遮断された通話



驚きと困惑、若干の怒りが私を包む



「いつから…って、それより
勝手に部屋に入らないでって…」

「告白」



私の文句を遮って、ゆう兄が短く言う



「え?」

「告白、されたの?」



無表情で、静かに
ゆう兄は私に問いかける



……。
…………なんか、ゆう兄、いつもと…



雰囲気が違う



いつもの騒がしさが嘘のように
落ち着いた静けさ

注がれる視線も態度も

明らかに普段とは違うゆう兄に、私は戸惑って



「……されたの?」



声を返せずにいると、ゆう兄がまた私に聞く



「…………うん」



ためらいがちに答えた




瞬間