……って、意気込んでいたのに



『ごめん。むくちゃん
先生に雑用押しつけられちゃった
遅くなるから、今日は先に帰ってて』



お昼にゆう兄から届いたメッセージを見て
私はがっくりと肩を落とす



……なんで、こうタイミングが被るかな…



「ありゃ、どうした?篠原(しのはら)
深々とため息なんかついて」

「津嶋(つしま)君」



廊下で、ぼんやり窓の外を眺めていると
通りかかった様子のクラスメイト
津嶋壮介(そうすけ)君に、声をかけられる



「ううん、なんでもない」

「あれ、今日は相川先輩いねぇのな?
てか、最近あんま見かけないような…」



私の周囲をきょろきょろ見渡して
津嶋君は物珍しげに呟いた


入学してから、ほぼ毎日
私の所へ通い詰めていたゆう兄は
もはや、私とセット扱いの存在