朝から疲労困憊の私



「あらー、今日はどうしたの?お疲れ?」

「じ、充電時間が…」

「え?充電?」



ぐったりと机に伏せる私の頭を撫でながら
杏里はきょとんとした声を返す



この間の言葉通り

ゆう兄は
学校で私に会いにくる回数を減らしてくれた


登下校は変わらず、一緒

でも、休み時間やお昼に
私の所に頻繁に来ることはなくなった


だけど、その分



………会った時の、愛がとても重い…



私の所に来る度に

まるで、数年ぶりの恋人との再会かのように

激しい抱擁と大袈裟なセリフを並べて



そして


ずっと、そのまま、離してくれない



挨拶程度の軽いハグなら、まだしも

あんな、長時間
ゆう兄の腕の中に拘束されて

愛おしげに見つめられて、触れられたら…



「………心臓が持たないよ…」

「悠先輩絡みだ」



真っ赤な顔で、ぽそりと呟けば
それをしっかり耳に拾った杏里が
ぴこんっと人差し指を立てて、楽しげに笑う