きみの本気は分かりづらい

「…」

「ごめんって」

「…」

「ね?むくちゃん
機嫌直して」



何度、ごめんと言われても
腹の虫は治まらない


隣を歩きながら
窺うように私の顔を覗き込むその相手


私は膨れっ面のまま、ふいっと顔を背ける



「……勝手に部屋に入らないでって言った」

「だって、むくちゃん
全然家から出てこないんだもん」

「……待ってなくていいって言った」

「俺、ひとりで学校行くのやだよ
むくちゃんと一緒がいい」

「ゆう兄と一緒だと、目立つからやだ」

「ひどいっ
俺はこんなに、むくちゃんを愛してるのに!」

「知らない」



冷たく返して
歩くスピードを早めても


ゆう兄はめげずに
私の隣をキープして離れない