きみの本気は分かりづらい

それに……


むくちゃんに意識して貰いたかったのも、ある



幼少期から
抱えている、むくちゃんへの想い

それが
ただの親愛の情じゃないことに

気付いて貰いたかった



もちろん
家族みたいに、妹みたいに大事に思ってもいた


でも、それだけじゃなかった


小さな頃から
確かに、ずっとあったんだ


むくちゃんを『特別』に想う気持ちは




年を重ねる毎に、強まる想いに
中々、伝わらないそれに、悩んでもいた


……聖が言うように
最後の最後のところで
逃げていたのが、きっと良くなかった


確かに、好きだと、愛してると伝えていたし
行動で、好きを伝えてもいた



本気で




でも



『好きだから、付き合って』とか

『恋人になって欲しい』とか

『愛してるから、一生傍にいて』とか



確信めいた言葉は避けていた




しっかり
恋愛感情だと、伝えてしまえば


今は許してもらえている言動のすべてを
拒絶されるんじゃないかって


警戒されるだけなら、まだしも

泣かれたり

気持ち悪がられたりでもしたら

それで、本当に離れていかれたらと思うと
気が気じゃなかった


だから、防衛線を張っていた



今は、いいきっかけになったって、思えるけど…



焦りと、小さな苛立ちから
半ば衝動的にしてしまった
あの日の告白は、あの行為は

冷静になってみれば、冷や汗もので

次に会った時の
むくちゃんの反応が、怖くて堪らなかった