これも食べて食べて、と
まるで雛にエサを与える親鳥のように
自分のお弁当のおかずを
私に押し付けてくるゆう兄


お弁当箱のフタの上に
積み上げられたおかずを呆れ顔で眺めてから
私はゆう兄に顔を向ける



「……ゆう兄」

「ん?」

「ゆう兄、暇なの?
いつもいつも、私のとこばっか来て」

「暇じゃないよ
むくちゃん愛でるので、毎日忙しい」

「飽きない?」

「飽きない」



変わらず、満面の笑顔でゆう兄は答える



「むしろ、足りないくらいかな
むくちゃん、俺の家に住まない?」

「…なんで?」

「そりゃあ、ずっと
むくちゃん見てたいから
3食昼寝付きでどう?俺、尽くすよ」

「そうじゃなくて…
どうして、そんなに私にばっかり構うの?」

「好きだから」