すぐにピンときた様子のゆう兄は
そろそろ~…っと、窺うように私に顔を向ける



「……もしかして、見ちゃった?」

「見た」

「…怒らないの?」

「小さなゆう兄が作ったものだし
盗撮とかじゃないから。それに…」

「それに?」

「……思い出を
大事にしてくれてたの、嬉しかった」




ゆう兄の部屋にあった
『むくちゃんメモリアル』と名付けられたアルバム

あれは、幼いゆう兄がひとりで作ったものだった


私との思い出を
一生懸命、形にして残してくれたもの


それは、途中で途切れてしまったけど……




「……今度は、一緒に作ろう?
ふたりで、たくさん写真撮って」




今度は、ふたりで一緒に
これからの思い出を残していきたい



途切れることなく、続くように




小さく笑って
贈ったアルバム帳に視線を落とせば

ゆう兄も、同じように
アルバム帳に視線を向け、口許を緩めた



「うん。いっぱい、写真撮ろう」