「……お誕生日おめでとう。ゆう兄」



しゃがみこんで
座っていたゆう兄に、それを差し出せば
ゆう兄は、きょとんと目を瞬かせた



「今日は、ゆう兄の誕生日だよ」

「………そうだった。俺、誕生日だ」



言われて、ようやく気付いた様子のゆう兄



……本当に、とことん自分に無頓着なんだから



私には過剰に尽くすくせに
自分自身にあまり興味がないゆう兄は
自分を蔑ろにする傾向がある


だからこそ
余計に大切にしてあげたいと思ってしまう



「貰っていいの?」

「いいよ。そのために買ったんだもん」

「ありがとう」



プレゼントを受け取ったゆう兄は
嬉しそうに微笑んだ



「えー、なんだろ
むくちゃんからのプレゼント
なんでも嬉しいけど」



さっそく、その中身を確認するゆう兄
その目は、わくわくと輝いている



「………アルバム帳?」



取り出したそれを見て
ゆう兄は不思議そうに首を傾げた