「…」

「おかえり。むくちゃん」

「……勝手に部屋に入らないでって言った」

「勝手じゃないよ
むくちゃんママが通してくれた」




買い物から戻ってきたら
まるで、我が物顔で私の部屋にいたゆう兄

いつものように、注意するものの

ちゃんと許可は貰ったと
自分の正当性を主張するゆう兄

悪びれもせず、私に笑顔を向ける



「…」



………お母さんめ…



心の中で悪態をつきながら
私は机に荷物をおいて、ため息をついた



「買い物行くなら
俺、荷物持ちについていったのに」

「……ゆう兄、今日何の日か忘れたの?」

「え?何かあった?
あ、俺とむくちゃんが付き合って11日目記念?」

「なに、その中途半端な記念日…」

「ごめんね。俺、何も用意してなくて…」

「中途半端な日を祝われても困る」



本気なのか、冗談なのか
分かりにくい話し方をするゆう兄に
私は、また、ため息をついて


机の上に置いた、その紙袋の中から
綺麗にラッピングされた袋を取り出す