きみの本気は分かりづらい

「……ゆう兄」

「ん?」

「………ゆう兄が、私にべったりだったのは
私を守るため?」



9割がた、そうだと
今は確信しているけど

改めて

普段の、あの行動の真意を本人に問う



「…」



その問いかけに返事はなかったけど


代わりに


向けられたのは、優しい微笑み



「…」



――その表情だけで、充分だった




「………ごめんね」

「なんで、むくちゃんが謝るの?」

「私が弱いせいだから」




すべての原因は、私



私が弱いから



昔も、今も



ゆう兄ばかりに甘えてた


ひとりが嫌だからって
ゆう兄を友達と引き離してた


ゆう兄の時間を奪ってた


本来、ゆう兄が得るべきはずだったものを
奪ってしまった


傷付いたけど
あの時、言われた言葉は真実で


私が、ゆう兄に依存してたから


寂しいからって
ゆう兄の優しさにつけ込んで
傍に縛り付けていたから


だから、色んなものが、変にこじれた



「あの時も、言ったけど
むくちゃんは悪くないよ」



私が今、考えていることを
的確に読み取った様子のゆう兄は


すべての始まりになった
『あの時』のことについて、言及した